団欒ファンタジー／佐倉知佳

作曲:吉田 潔

作詞:山岐 信

寿ぎ絶えた凪のしじまに産ぶ声あげた

揺りかごの2500グラムの痛覚

約束された庇護の屋根落ち 圧壊の小窓は

風そよぐカーテンの夢見ながら割れました

形而上世界観的降雨に傘を差す術なんて絶無

「苦しみの分だけ優しくなれ」だなんて

これ以上負担強いられるの？

濡れそぼった髪すかし よその晴れ間を睨めつける

二面性持つ世界の顔がひとを選んで裏を見せる

嘘と言われた修羅のみぎわをひとり歩こう

底冷えするダイニングで

抱きしめられたかった子どもがかつては待ってた

愛の皿は満たされぬと知りながら

無償の慈雨降らない砂漠になぜ種植えたの

干からびた維管束が痛みを知ってる

心理的不可視頸部扼痕に軒並みお手あげの検死官

児童相談所はテレビ画面の向こうですか？

世間の健全な秒針がひとりぼっちの文字盤

正しく刻むにべなく

性善説とか親子神話を信じる人を横目に見て

指をくわえて畢竟得ぬとこしえの飢え児

安堵できない屋根裏部屋で

強くならざるをえない子どもの

頑是ない背中が顫えていた

手のぬくもり知りたくて

「大丈夫」と聴きたくて

永縁／佐倉知佳

作曲:吉田 潔

作詞:稲吉優流

遥か海を航り 星の導きたぐりよせ

約束のあの場所へ進め

遠い山を越えて 草木の声に耳すませ

永遠のふるさとへ歩め

聴こえてくる太古の祈り

闇を照らす月の微笑み

縁(えにし)深き我らの絆

風花舞い水は流るる

八百万(やおよろず)の導きの声

勇気をふるい生命燃やして

長い冬があけて 生命喜ぶ春きたり

過去世(いにしえ)と未来世(みくるよ)を結べ

聴こえてくる太古の祈り

闇を照らす月の微笑み

縁(えにし)深き我らの絆

風花舞い水は流るる

八百万(やおよろず)の導きの声

勇気をふるい生命燃やして

信じよう 感じよう

いつまでも どこまでも